物忘れ外来

●治療方針
物忘れ外来では認知症の診断・治療とともに、家族の方の相談にも応じます。
治療は認知行動療法を主として、薬物療法は必要な場合に限り最小限で行います。

認知症について

●認知症とは?
主として物忘れなどの記憶障害により日常生活に支障をきたす状態です。
記憶は、自分の経験したことの記憶(エピソード記憶)から障害され、近い記憶から過去の記憶に向かって障害されます。
日常生活では、電話、買い物、金銭管理、調理などができなくなり、進行すると食事、排せつ、移動などに支障をきたします。

●認知症と老化による物忘れの違い
しまい忘れや置き忘れ、人の名前が出てこない、などの物忘れは健常者でもよくあることです。約束や以前に言ったことを忘れていることは健常者でもたまに見られます。しかし、前日のことを忘れてしまったり、ついさっき言ったことを忘れてしまうとなると病的な色彩が強くなります。
認知症の物忘れでは体験したこと全体を忘れてしまうのに対して、老化による物忘れは、体験したことは覚えていでも、具体的な内容や、その一部を忘れていることが多いようです。 
また、認知症の方は自分の物忘れを認識していないのに対して、老化に伴う通常の物忘れでは「忘れっぽくなった」などの自覚があることが多いようです。さらに認知症の物忘れの一番の特徴は進行性に悪化することです。

●認知症をきたす疾患
最も多いのが記憶障害を主症状とするアルツハイマー型認知症で全体の約6割を占めます。次いで脳血管障害などによる血管性認知症、幻視やパーキンソニズムなどの症状が現れるレビー小体型認知症などがあります。そのほかに前頭葉などの萎縮をきたす前頭側頭型認知症、65歳以下で発症する若年性認知症などもあります。
また、慢性硬膜下血腫や脳腫瘍、ビタミンB12 欠乏症、甲状腺機能低下症などでも認知症をきたすことがありますが、これらはそれぞれの病気を治すことにより認知症症状はなくなりますので治る認知症とも呼ばれています。

●認知症の予防
認知症を確実に予防することは出来ませんが、認知症になりやすい生活習慣を避け、なりにくい生活習慣を続けることにより、発症リスクを下げることは可能です。

認知症の発症リスク(国立長寿医療研究センター)

リスク要因 認知症リスク
喫煙 2.2倍
脳卒中の既往あり 2.6倍
糖尿病あり 1.7倍
心臓病あり 1.5倍
握力が弱い(男<26kg、女<18kg) 2.1倍
うつ傾向あり 1.6倍
難聴あり 1.4倍

●認知症の早期発見
認知症かなと初めに気づくのは、一番近くにいる家族です。しかしながら、もの忘れが多くなったことに気づいても、認知症の初期段階では、本人は慣れ親しんだ生活行動に破綻をきたさないことが多いため、周囲の人は生活障害に気づかないこともあります。
同じことを何度も聞いたり、言ったりする。いつも探し物をしている。約束した日時や場所を忘れる。人柄が変わり、頑固や怒りっぽくなる、などは認知症の初期に見られる症状です。気が付いたら早めに医療機関で相談するとよいでしょう。

●認知症の治療
認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法があります。非薬物療法は、食事、運動、睡眠、喫煙、認知症に関連する糖尿病、高血圧などの治療と認知行動療法として回想法、脳トレなどの脳活性化療法などがあります。
※薬物療法では、認知症そのものを治す薬はまだ開発されていませんが、認知症の進行を遅らせる認知症治療薬と幻覚、妄想などの周辺症状に対応する抗精神病薬などがあります。

(社会医学指導医、認知症サポート医 小田 清一)

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